プーアール茶.com

塩水鴨

この数日抜け殻のようになっている。
江戸前穴子からはじまって、八幡浜のほーたれ鰯で終わった日本の味から、上海の味に気持ちが戻らない。やっぱり日本はいい。将来のない公共投資で、無惨に山が削られ、海が埋められ、本物の味覚が失われながらも、それでも上海に比べたら上等なものが多い。その上等な楽しみを知る人もいる。
さて、今日は広州から友人がちょっといい日本酒を持ってくる。つまり、美味しいものを期待してくる。「上海の味などたいしたことない」とは言えない。気分を盛り上げてゆこ。
喜久酔
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6月14日 菜単
塩水鴨 (香辛料漬け茹で鴨)
冷拌海折頭 (クラゲと大根の葱油あえ)
油炸臭豆腐 (臭豆腐の油揚げ)
泡竹笋炒肉絲 (竹の子の漬物と細切り肉の炒めもの)
楊梅 (山桃)
泡菜大黄[魚善] (四川泡菜と田鰻の蒸し焼き)
糟腐乳炒空心菜 (空心菜の糟腐乳炒め)
干貝炒飯 (干し貝柱のチャーハン)
紅蛤冬瓜湯 (紅蛤と冬瓜のスープ)
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塩水鴨は過去に何度か作っている。
今回は放し飼いの家鴨を入手した。放し飼いの鶏が地鶏というなら、放し飼いの家鴨を地鴨と言うことにしよう。上海近郊の農家が、自分たちの田畑に放し飼いにしている家鴨は、ミミズ、田螺、カエル、田鰻などを食べて育っている。人工的な飼料で育てられたのとは、味も栄養も違う。地鴨は数が少なくて、市場にはほとんど入ってこない。そこで、早朝5時半に起きて、道の市場へゆく。
道の市場
道の市場
まだ車も走らない静かな時間に、ある道の一角だけお祭りのような人だかり。客は地元のおじいちゃんおばあちゃん。郊外からまだ暗いうちに自転車やリアカーで運んだ品を早朝に売って帰ってゆく。野菜、魚、鶏、いろいろ地べたに並べている。アスファルトの上にビニールを敷いてまな板にし、魚やカエルを捌いている。激しい値段交渉は怒鳴りあいの喧嘩に見えるが、ほんとうに喧嘩になっていることもよくある。ただ、上海の人は口喧嘩までで、殴り合って血を流すようなことは少ない。
地鴨
私養鴨
この家鴨にした。
鶏や鴨は生きたままのを選ぶと、その場で絞めて、自転車の後ろにある熱湯の入ったタンクに浸けて皮にひっついている羽毛をむしるところまでやってくれる。それでも地鴨の羽毛はかんたんに抜けないので、持ち帰ってから毛抜きできれいにする。30分かかる。毛を抜いてから、腹を割いて内臓を取り出す。腸、砂ずり、レバーもいっしょに塩水鴨にする。
ちなみに市販の白くきれいな皮をした家鴨の肉は、漂白剤で洗われたものだと言って、うちのコックさんは買わない。
家鴨
塩水鴨塩水鴨
塩水鴨塩水鴨
塩水鴨には大きな鍋が2つ要る。
ひとつの鍋は、生のままの肉を浸けるスパイスの入った塩水のスープ。17種のスパイスや漢方材料と、葱、生姜、塩を沸かして冷ましたもの。これに7時間浸けて、香りと塩分を染み込ませ、臭みのある血を抜く。
もうひとつの鍋は、同じスープであるが、火を入れて茹でるためのもの。まだ冷たいスープに家鴨を浸け、蓋をして、強火にかけて沸騰してからきっちり3分で火を止める。蓋をしたまま蒸らして冷えるのを待つ。冷えてから大皿に移してさらに冷蔵庫で冷やす。一日置いたくらいのほうが味がなじむので、ここまでを2日前にしてあった。食べる直前に切って皿に盛る。
当日の朝8時。友人を連れて市場へ行く。泡菜魚のための黄魚を探したが、2日続きの雨のせいか、新鮮なのが見つからない。そこで田鰻を試してみることにした。田鰻も白身で、鰻よりも脂がないから相性は良いだろう。
田鰻
ところで田鰻は捌くとたくさん血が出る。あれを溜めて、鴨血旺のようにできないだろうかと、コックさんが真剣に考えていた。
市場から帰ると朝の9時半。時間はたっぷりある。ここからは流れる水のごとく料理が出て、酒が注がれる。日本酒、ウィスキー、焼酎。途中に肝臓をいたわる苦丁茶と田七人参。消化を助けるプーアール茶(下関銷法沱茶90年代)で休憩。口直しのデザートの山桃は胃をいたわる。気持ちの良い時間を長く保ち、食後感を良くするのも味のうちである。
スコッチウィスキースコッチウィスキー
塩水鴨
塩水鴨塩水鴨
塩水鴨は上出来。塩加減もいいし、スパイスや漢方の香りの乗り具合もいい。かすかに肉に野性味があるのがまたいい。脂身があっさりしているのは、地鴨の肉の特徴。ただ、少し水分が多かった。冷やすときに、キッチンペーパーか布巾を巻いて、水分をとってからラップを巻いて冷蔵庫に入れたらよかった。
塩水鴨の肉の味は、日本酒との相性もよかったが、ウィスキーの煙味との相性が格別であった。
冷拌海折頭揚梅
油炸臭豆腐泡竹笋炒肉絲
糟腐乳炒空心菜
泡菜魚
干貝炒飯紅蛤冬瓜湯
糟腐乳炒空心菜がとてもよかった。
腐乳は豆腐を塩漬け乳酸発酵させたものであるが、さらに紹興酒の酒糟に漬けてある。厚みのある風味と香りと塩味によって、めずらしく酒の肴になる野菜炒めとなっている。
田鰻の泡菜魚は、むちゃくちゃ美味しい。もうなにも言うまいと思ったけれど、泡菜魚独自の美味しさではなかった。肉の味が濃すぎる。やはり白身の淡白な味の魚がよい。そうでないと味の濃淡が生まれない。
他の料理もすべて美味しいが、すべてが美味しいと、散漫になって、ひとつひとつの印象が薄れる。たしか魯山人の本に書いてあったと思うけれど、やはり美味しい料理は2品までが良い。今回の場合は、泡竹笋炒肉絲か糟腐乳炒空心菜のどちらかひとつで良いし、おもいきって清炒空心菜にする手もある。干貝炒飯は白いご飯でもよかった。白いご飯によって、泡菜魚の美味しさがより引き立っただろう。まさに、「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」だ。レストランの点菜(オーダー)の料理の組み合わせにも同じことが言えるので、肝に銘じておこうと思う。
沈香老散茶50年代
沈香老散茶50年代
本日のお茶は「沈香老散茶50年代」
酒に酔って気持ちよく飛んで、そのまま飛び続けたくて、さらに酒を飲み続けると、身体に堪えて急下降してしまうが、気持ち良く飛んでいるうちにお茶に切り替えると、さらに上昇でき、遠くまで飛びつづけられる。もちろんそういう効果の強い年代モノのプーアル茶を選んだ。
お茶を飲みながら友人はなにかごちゃごちゃと料理を賞賛していたが、やがて無口になり、ソファーに沈んで眠りに落ちた。ご馳走しがいのある人だ。タオルケットを出して、広州行きの飛行機の時間までしばらく眠ってもらった。

椒麻鶏

「成都のお昼ご飯!」の四川料理の復習。
椒麻ダレの料理を試す。椒麻ダレには唐辛子は入っていないが、花椒(中華山椒)が入っている。
市場の鶏屋
茹でた鶏
鍋に水をはり、鶏、葱、生姜を水から沸かして、沸騰してから5分経ったところで火を止めて蓋をしてゆっくり冷えるを待つ。鶏を取り出して皿に移して冷やす。スープに刻んだ生姜、葱、花椒粉、花椒粒、泡菜汁(四川泡菜の漬物汁)、白酢、胡麻油、梨の薄切り、砂糖、醤油を入れて、漬け汁をつくる。鶏を切って漬ける。今回は1時間漬けたが、ほんとうは1日漬けたい。
酸泡汁鶏
酸泡汁鶏
椒麻鶏(酸っぱい汁に漬けた茹で鶏)
冷えるにしたがって、鶏肉の味が締まってきて、旨味を増す。しっかりと咸味(塩っぽい肉の旨味のある味)がベースに、酸っぱくてちょっと甘くて、生の生姜やたっぷり入った花椒(中華山椒)の香りで弾みがついている。鶏肉を食べ終えたら、この汁に豚足とか豚の耳とかの茹でたのを漬けてもいい。今晩は麺をつけて食べてみようかな。
蒜泥空心菜うずらの蒸しスープ
蒜泥空心菜(空心菜のニンニク炒め)
鵪鶉湯(うずらの蒸しスープ)
山竹果
楊梅
市場の果物屋で働いている小さな女の子(貧しいから学校行ってないのかな?)が可愛いくて、いつもすすめられるままに果物を買ってしまう。でも間違いなく旬のいいやつだ。山竹果(マンゴスチン)。楊梅(ヤマモモ)。
岩茶
83鉄餅
左: かなり高級な岩茶
右: 83鉄餅プーアル茶
香り松茸、味しめじならば、香り岩茶に、味83鉄餅というところだろうか。岩茶の香りは強くて茶室いっぱいに広がる。香りを差し引くと、味はあんがい共通しているところがある。ただ、岩茶の味は明るく単調で、83鉄餅の味は深い闇の奥に輝くなにかがある。個人的に言うならば、83鉄餅が圧倒的に上等だ。そして難しい。男の味の世界だ。それは料理よりもはるかに上のほうの味の世界だ。

老鴨粉絲湯

昨日の老鴨湯のつづき。
生きた家鴨を見るのは慣れないけれど、これで美味しいかどうかを見極めるわけだ。魚を見て鮮度や脂の乗り具合を見るのと同じことだ。
老鴨
老鴨湯
あわせて6時間くらい火を通しただろうか。肉はホロホロになって、香りには丸みがある。スープを土鍋に分けて、粉絲(春雨)、白菜、白玉擇箸い辰靴腓房僂襦1で味を調える。それだけ。
老鴨粉絲湯
老鴨粉絲湯
老鴨粉絲湯(老鴨と春雨のスープ)
春雨がスープをたっぷり吸っている。スープだけを飲むと、口の中をスーッと一瞬で通りすぎて喉へと消えてしまうところを、春雨の固体が口の中でゆっくりとろけるものだから、たまらない。老鴨の肉を端でつまむと、骨と肉が勝手に剥がれ落ちるほどやわらかい。ゼラチン質の脂肪を含みながらも適度に強いたんぱく質の弾力を失わない。
蒜泥炒刀豆[朶リ]椒蒜泥涼拌鶏爪
蒜泥炒刀豆(ナタ豆のニンニク炒め)
[朶リ]椒蒜泥涼拌鶏爪(鶏の足の[朶リ]椒ニンニクソース)
今日の一食で、女性の高級化粧品なら数万円分のコラーゲンを食べたのではないかと思う。
七子紅帯青餅プーアル茶
七子紅帯青餅プーアル茶
七子紅帯青餅プーアル茶
本日のお茶は「七子紅帯青餅プーアル茶」
サイトにはプーアールインペリアルと書いているけれど、それに偽りなしだ。やっぱりすごい。茶葉がちがう。技術がちがう。熟成がちがう。格がちがう。男は本物を知らなあかん。その勇気と忍耐をもたなあかん。びびってしまう自分に銃口を向けなあかん。

泡菜鴨血旺

コックさんが家鴨の生きているのを買ってきた。
上海郊外の田舎の人が自転車で売りに来ているやつだ。一羽600円なり。スープにするのは年をとった肉の硬いのが良いとされる。コックさんがあっという間に絞める。動物園の臭いがする。残酷だけれど、たまにはこういうのを見ておくと、食べ物を大事にできるってもんだ。羽毛の処理に1時間、肉の処理と煮込むのに4時間。今日のお昼ご飯は午後3時半からとなった。
老鴨
老鴨
塩水をつくっておいて鴨を絞めたときの血を注いで、すこし置いて粘りが出てきてから蒸すと固まる。これを血旺という。
鴨血
血旺
中華鍋で油を熱して、豆板醤、生姜、泡青菜、葱の順で炒めて、老鴨湯(スープ)を足して、マッシュルーム、血旺、蒜苗、醤油、水溶き片栗粉。ごま油をかけて香菜をちらして出来上がり。
泡菜鴨血旺
泡菜鴨血旺(鴨の血の豆腐と漬物のとろみ餡かけ)
混ぜ物なしの100%の血でつくる血旺はプリプリの弾力がある。味がある。透明感がある。豆板醤のとろみ餡かけとの相性がよい。
清燉老鴨湯
清燉老鴨湯(老鴨の煮込みスープ)
生姜、葱、紹興酒を大きな底の深い土鍋で沸かしたところに、処理して茹でて洗った老鴨を入れる。3時間半煮てから、塩で味付けする。表面に黄色い油が浮くが、それが香りと味と栄養である。まだ身は硬いので、続けて煮込んで明日また食べる。
鴨肝卵巣
左は肝臓で、右は卵巣?かな。一羽ごとなのだから、何でもある。心臓、砂肝、胃、腸、卵など。頭も食べるし、水かきのある足も食べる。
青椒肉片炒豆瓣
青椒肉片炒豆瓣(そら豆とピーマンと豚肉の炒めもの)
8582七子餅茶99年
本日のお茶は「8582七子餅茶99年」。
1999年のものだから、南天公司のオーダーではないと思う。熟成は浅いが、茶葉は良い。包みを開けると甘い香りがファーっと部屋に広がる。正直言って美味しくないけれど、美味しくなる素質がある。売らずにお蔵入りにしようか。

泡竹笋鴨雑干鍋

鶏、鴨、鵞鳥の臓物を専門に売る店が市場にある。
今日はそれと泡竹笋(竹の子の漬物)をあわせて、湖南料理の干鍋仕立てにする。ところで、その店に予約したら鵞鳥が手に入ることがわかった。市場はいつも発見がある。3日違えば季節の移り変わりが見つけられる。楽しいったらありゃしない。
鴨雑
鴨雑
泡竹笋
臓物は、家鴨の砂ずり、腸、心臓、鵞鳥の肝臓。腸は塩をすり込んでは洗い、塩をすり込んでは洗うのを3回。砂ずりは内側に塩をすり込みよく洗って、他のもよく洗って、茹で洗いする。冷えたら、腸はクルッと丸めて結ぶ。それぞれを適度な大きさに切る。泡竹笋は水に浸けて塩を抜いて、斜めに切る。ちょっと大きめに。中華鍋に油を熱して、花椒、豆板醤、生姜、大蒜、太葱、泡辣椒の順に炒める。臓物たちを足して、紹興酒、醤油で味付けして、水を足して蓋をして、20分ほど蒸し焼き。最後に細葱をちらして出来上がり。
泡竹笋鴨雑干鍋
泡竹笋鴨雑干鍋
泡竹笋鴨雑干鍋(泡竹笋と家鴨の臓物の干し鍋)
泡竹笋は一歩下がって、臓物が主役の料理。ヌッタリした歯ごたえと旨味にゆるんだところを、泡竹笋の酸味とシャキシャキが引き締める。泡竹笋には生の竹の子の歯ごたえがあると前回は書いたが、実際は生の竹の子よりもずっとしっかりしている。塩で水分が抜けてカチッと締まるのだろう。その歯ごたが、こういう料理に合う。もう少し大きめに切っても良かった。

清炒枸杞頭(クコの葉の新芽の炒めもの)。
上海の郊外の田舎の言葉を話すおばちゃんが、自分で育てた虫食いだらけのクコの新芽を売っていた。コックさんが茎を指でつまんで、好(ハオ)!と言って、残り全部を譲ってもらった。ほろ苦いところが旨い春の味覚。
咸骨頭冬瓜湯(塩漬け干し豚骨と冬瓜のスープ)
プーアル茶
プーアル茶
本日のお茶は「七子紅帯青餅プーアル茶」
日が長くなってきて、夕暮れの紺色の光が射すちょっと寂しい時間がゆっくりあって、お茶の味がしみる。

泡菜焼烏骨鶏

1956年の映画、小津安二郎の『早春』には、母が娘に料理を教えるシーンがある。「醤油はちょびっとでいいんだよ、あぁそんなに入れすぎだよ・・・」、「さっと煮立ったらもう止めていいよ・・・」という具合でリアル。その料理は今の日本でもまだ母が娘に教えてるのかな?
さて、今日は烏骨鶏(ウコッケイ)を食べる。泡菜(漬物)を使うが、うちの創作料理じゃなくて、「四川泡菜」という成都で買ってきた本に書いてあったもの。烏骨鶏はスープでしか食べたことがないので、ちょっと興味がある。念のために書いておくが、 「泡菜魚」などの漬物料理の多くは、伝統料理であって、うちの創作ではない。
烏骨鶏
泡菜焼烏骨鶏
泡菜焼烏骨鶏
烏骨鳥を骨ごとブツ切りにして、塩を振り30分置いてから軽く油で揚げて、皿に取っておく。油を減らして、豆板醤、泡生姜(生姜の漬物)、泡青菜(チンゲン菜の漬物)、海椒(四川の丸い唐辛子)を炒めて香りを出して、烏骨鳥を戻す。紹興酒で味付けして水を足して蓋をして蒸し焼きにすること10分くらい。萵笋(セルタス)を足して炒めてまたちょっと蓋をして、最後に水溶き片栗粉、葱の刻んだのをちらして出来上がり。
泡菜焼烏骨鶏
泡菜焼烏骨鶏
泡菜焼烏骨鶏(ウコッケイと漬物の蒸し焼き)
美味しいけれど、なにかがちょっと足を引っ張って、味がもたついているが、原因が分からない。漬物だろうか、それとも烏骨鶏の味なのだろうか。もういちど食べたいと思う料理じゃないので、これで終了。
蒜泥ヒユナ菜燉鮮湯
蒜泥ヒユナ菜(ヒユナと大蒜の炒めもの)
腌燉鮮湯(竹の子と押し豆腐のスープ)
腌燉鮮湯は、大きな土鍋いっぱいにつくっておいて、3日くらいかけて食べるのがいい。だんだん押し豆腐に咸肉と竹の子の味が染みていって、1日めよりは2日め、2日めよりは3日めがいい。
早期紅印春尖散茶
早期紅印春尖散茶
早期紅印春尖散茶
本日のお茶「早期紅印春尖散茶」1950年代。
小さな若葉が手で揉まれて捩られた50年前の仕事なので、何度か煎じて茶葉が膨んでくると、びっくりするくらい大きくなる。一煎めは軽くさっと出汁をとるようにして、樟香とかすかにオレンジの皮のような孟海の茶葉の風味を楽しむ。2煎めからは少し濃くして味の重みを計ろうとするが、その前に口に溶ける。3煎めからは成分が身体に廻って、恍惚としてくる。
自然環境の変化で絶滅してゆく動植物がいるように、社会環境の変化で絶滅してゆく食があるとしたら、1970年代までのプーアール茶の生茶も、レッドリストの候補に挙げたい。

泡子孫菜炒鴨珍

泡子孫菜を炒めものに使ってみる。
食感が少し似ている鴨珍(鴨の砂肝)とあわせる。
鴨珍
泡子孫菜炒鴨珍
泡子孫菜炒鴨珍
鴨珍を茹でて水を捨てて臭みを除いて、もう一度茹でておいて、泡子孫菜、泡辣椒、大蒜、生姜、葱をだいたい同じ大きさに細切りにして、中華鍋で泡辣椒を炒めて油が赤く染まったら、大蒜、生姜、泡孫菜、鴨珍の順に投入し、紹興酒、醤油、ごま油で味付けして、最後に葱を入れて出来上がり。
泡子孫菜炒鴨珍
泡子孫菜炒鴨珍(子孫菜の漬物と鴨の砂肝の炒めもの)
美味しいが、味が濃すぎる。鴨珍だけでは泡子孫菜の塩辛さを吸収できない。さらにおきまりの紹興酒、醤油、そして入れてはいけないと指導している砂糖と、考えのない味付けなので、頭を使えバカヤロー!とエキサイトする(・・・反日映画に出てくる日本人みたい)。
泡菜魚のように、材料と手数の多い料理はごまかせるが、単純な料理はかえって難しい。もういちどやり直し。
清炒菜苔花菜大骨頭湯
清炒菜苔(アブラ菜の炒めもの)
花菜大骨頭湯(カリフラワーと豚の骨のスープ)
下関銷法沱茶97年か98年
下関銷法沱茶97年か98年
本日のお茶は「下関銷法沱茶97年か98年」。
下関茶廠には法国(フランス)へ輸出するために作っているプーアール茶がいくつかある。1990年代末期あたりから、お茶の取引が自由になって、法国へ送られない法国向けのお茶が中国国内にも流通している。そういえば、2007年に一回きり企画した福袋の中にも「下関銷法沱茶05年」があった。
包み紙にフランス語で「茶」の「Thé」と書かれている。

塩水鴨

塩水鴨を食べる。
仕込みに時間のかかる料理で、家庭ではあまり作らないが、お惣菜屋さんでは定番である。大鍋に使いまわしのスープで作るのが、効率がいいのだろう。しかしお店のは化学調味料が多くて、食べたくない。是非うちで、化学調味料抜きのホンモノの味を食べたい。
塩水鴨の香辛料塩水鴨のスープ
塩水鴨塩水鴨
家鴨の一羽の羽をきれいに取り除いて、わき腹の辺りと尻の辺りに包丁を入れ、そこから手を入れ、内臓などを取り除く。レバと砂ずりは別に置く。
大きな鍋に水をはり、生姜、塩、香辛料(白叩、小茴香、海椒、草果、八角、桂皮、香葉、畢ト、花椒、甘草)は洗ってから入れる。弱火にかけて30分。白酒を足して、火を止めて冷めるのを待つ。冷めてから家鴨をそのスープに漬ける。上から重石をして、浮かないようにする。3時間半ほど漬けてから、家鴨を引き上げて、水で洗う。香辛料をすくい取って、薬包の中に入れておく。
別の鍋に水をはって、そこに家鴨を入れ、重石をし、塩、花椒を入れ、先ほどの薬包みを入れ、火にかけて沸いてから5分で火を止め、鍋に蓋をして冷めるまで待つ。冷めてから家鴨を引き上げ、冷蔵庫に入れる。冷えて肉が固まったら適当に切る。
塩水鴨
塩水鴨
塩水鴨
はじめのひとくちは、あれ?と思うくらいに塩味が薄いが、二口、三口くらいしてから、肉の内側から塩味がにじみ出てくるのがわかる。そこから先は止まらなくなる。ワインを用意したのも忘れて、肉にむかう。コリコリした軟骨もいい。口の中でうっすらと香る香辛料が、家鴨の野暮ったさを消して、高級感あるものにしている。レストランで食べると、塩辛いばかりで、前菜にひとつまみしかしないが、うちで作ると主菜になる。
塩水鴨塩水鴨
頭の部分は、酒飲のつまみ。脳みそ、目玉のまわりのゼラチン、舌、頬のやわらかい肉。頭や首の骨は残しておいて、自分だけの分にして、片手鍋に湯を注いで煮て、塩で味をととのえて飲む。レバや砂ずりも美味しい。
蛋皮炒荷蘭豆痩肉蓮藕湯
蛋皮炒荷蘭豆(キヌサヤと玉子の炒めもの)
痩肉蓮藕湯(豚の赤味肉とレンコンのスープ)
鳳凰沱茶97年プーアル茶
本日のお茶は「鳳凰沱茶97年プーアル茶」
プーアル茶の風味もまた、内側からにじみ出るようなもので、ゆっくりと体になじむ。

麻辣栗子鶏心

季節のかわりめ。きゅうに肌寒くなったのに調子を合わせる感じが、体の内側からしてくる。とにかく眠い。
さて、今日は鶏の心臓を食べる。鶏肉は、生きた鶏を売っている店で一羽ごと買うわけで、鶏の心臓はその店にはない。各部位をわけて売っている別の店で買うのだ。(どうなってんのかと、気になっていた)
鶏心
油で花椒を炒めて香りが出たら、豆板醤を炒めて、油が赤く染まったら、生姜、桂皮、八角、鶏の心臓(あらかじめ下茹でしたの)を炒めて、紹興酒、醤油、砂糖、栗(茹でて皮を剥いたの)を入れて、水を足して蓋をして25分。ニンニクの芽を足して蓋をして5分。出来上がり。
麻辣栗子鶏心
麻辣栗子鶏心
麻辣栗子鶏心(栗と鶏の心臓の甘辛焼き)
もう、むちゃくちゃうまい。この味に負けなし。それだけ。
清炒紫角叶清炒紫角叶
清炒紫角叶(落葵・ツルムラサキの炒めもの)
大白菜肉片湯(白菜と豚肉のスープ)
干し貝柱と白菜の相性がよく、旨い出汁に仕上がっている。
プーアル茶
ふと、思ったのだが、デパ地下の食品売り場なんかでは、味見させてくれるけれど、それは、どんな味かを知ってもらったら、買う人は安心だろうってことだと思うが、そうすると、このブログは何だ!美味しいですよといって、自分が飲んでいるのだ。ま、そのほうがいいか。

油炸鶉

朝から異常な空気の色。
上海の汚い空気
風が止まったらこうなる。こんな日は窓を開けないようにしている。外に出たらなるべく息をちょっとだけ吸ってすぐ吐くようにしている(気持ちの問題で・・・)。気温39度でクソ暑いのとは別な、眼や肌にヒリヒリと焼けるような熱さを感じる。昨年よりも今年は体感的にかなり環境が悪化した。来年はもっと悪い。再来年はさらに悪い。住めるのかな?
鶉の唐揚げ
鶉の唐揚げ
油炸鶉(うずらの唐揚げ)
今日も鶉(うずら)。ちなみに1羽約80円。これを唐揚げにした。うずらの姿がそのままで頭もあって、ハリー・ポッターで悪い魔法のかかった料理という感じの迫力。でもそれが美味い。めちゃくちゃ美味い。これぞ中華だ。これを食べるために遠いところから旅してきてもいいくらいに美味しい。手でつまんで骨の周りの肉をついばんで、口に入った骨はぷぃっと吐き出す、その動作が醜い。それも中華だ。上品に食べると美味しさは半分以下になる。
トマトと卵のスープマコモダケとピーマンの細切り炒め
蕃茄蛋湯(トマトと卵のスープ)
青椒菰菜絲(ピーマンとマコモダケの炒めもの)
蝦のトマト煮
茄汁基圍蝦(蝦のトマト煮)
食べ終わったときに「腹いっぱいになった」という中国語はあるけれど、「ごちそうさま」という感謝の言葉はない。そこが中華だ。なにがあっても感謝なんてされないし、こっちもしなくていいのだ。お互い楽にいこう。
本日のお茶は「下関乙沱茶プーアル沱茶」。たくさん飲んで排毒作用を期待する。

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