プーアール茶.com

あとがき

ブログの更新を終わることにした。
もったいないと友人から言われるけれど、もう十分だ。いろいろ試したし、満足している。それにもうネタが少ない。場所を変えて、四川や広東への展開という案もあるけれど、すぐには無理だ。生活もあるし・・・というわけで、いったん終了させることにした。
上海のお昼ご飯!の意志は、「プーアール茶.com」が受け継ぐ。このブログで学んだことを活かしてゆく。
「麻辣火鍋」や「薬膳スープの素材セット」のレシピ情報は、このブログではなく、それぞれのページに更新するつもり。お茶についても同様。
このブログは、過去の記事を検索しやすいようになっている。例えば、豆腐料理を知りたければ、「豆腐料理」のカテゴリーで検索できる。9月の季節料理を知りたければ、過去の2005年〜2007年の9月の記事で検索できる。「腐乳」を使った料理を知りたければ、キーワード検索で「腐乳」とタイプすれば良い。だから、料理好きな人はこれからも活用してほしい。
ところで話は変わるが、最近になって、漠然と心にひっかかっているテーマがある。ちょうどそんなときにピッタリの本を読んだ。
『梅原猛の授業 道徳』 著者:梅原猛 朝日文庫
身近なところで、食べることの「道徳」や「美徳」を考えさせられる出来事が多くなっている。自分の考えを改めずに、このまま逃げ切るわけにもゆかなくなっている。これからの時代に、ほんとうに良い料理や食事とはどういうものか、生活とは、仕事とは、・・・そんなことをじっくり考えてみたい。そういう自分の道徳はどうなのか?と問われる恥ずかしさに堪えて、食の道徳を真っ向から語れるようになりたい。
本日のお茶は「7542七子餅茶99年無内飛プーアル茶」



足浴漢方体験

足浴漢方生活、こいつはすごいぞ!
どういうわけか、ぐっすり眠れる。
足を浸けている間だけでなく、その後2時間くらいは、ジワジワと足の裏あたりが刺激される。青竹踏みのような心地よさがある。
寝る前に、DVDで小津安二郎の1951年の映画、『麦秋』を観るが、はじめの朝食のシーンでダウン。きれいなお姉さん役の原節子が、「行ってまいりまーす!」と玄関を出るあたりでダウン。眠気に抵抗して、もう一度はじめのから見るが、またダウン。海からのそよ風が吹く、鎌倉の7人家族の食卓。何度観ても美しい。
気分を変えて、1967年のフェリーニの映画『悪魔の首飾り/世にも怪奇な物語』に変更。同じくフェリーニ監督の『ローマ』を思わせるような、光と記憶と明滅。やっぱり寝てしまうが、どっちみち夢を見ているようなシーンが続くから、眠気との相性は良い。主人公を乗せた車のフェラーリが夜のローマを疾走する。エンジンの爆音。ヘッドライトに瞬くローマの景色。脳みそがグルグルして、イッてしまいそうになる。やっぱりフェリーニの映画はすごい!理屈で観てはいけない。感覚で、あの高速道路から見えたシャンデリアのショールームのようなところに女の人が一人立っているたった1秒か2秒のシーンに震えるがよい。
どぶろく
鹵水豆腐
そんなこんなで、ぐっすり眠ると、次の日も気持ちがいい。
これはいいぞ!となって、朝からまた足浴。
足浴して読書して眠って、また起きて足浴して読書。安部公房の『砂の女』は、楽しめたけれど、あまり好きじゃない本だった。女の人って怖いなー。男はバカだなー。気をつけよっと。
足浴の後に冷やしたどぶろくをくぅーっとやる。アルコールと炭酸と乳酸で五臓六腑を刺激する。「うーんそうか!」と、映画『東京物語』の笠智衆が日本酒を飲むときのように言ってみる。実に大人の夏休みだ。
足浴は、漢方の成分が、足の皮膚を刺激するだけでなく、皮膚から入り込んで、なんらかの働きがあるような感じだ。でも、その理屈を説明するのはつまらないことだから、やめておこう。しばらく続けてみようと思う。
どぶろく
足浴漢方生活 取り扱い終了しました。

足浴漢方生活

足浴のための漢方。
たっぷりの漢方を煮出した湯に足を浸けてみたい。
と女性だったら思う?のかよくわからないけれど、なにやら、足のツボを刺激して、内側から痩せるのだそうで、スタッフはノリノリで、10日間ほどかかって、あちこちから素材を集めて、配分を研究して、何度も自分で試して、ようやく商品の形になってきた。
とりあえずこのブログで、売れるのかどうか反応を見たい。

足浴漢方生活
足浴漢方生活
足浴漢方生活

足浴漢方生活 終了しました。

内容:
1回分約100g 1回分ごとに袋詰め
当帰(トウキ)、黄耆(オウギ)、紅花(ベニハナ)、蘇木(ソボク)、澤蘭(タクラン)、生地黄(生ジオウ)、川椒(四川トウガラシ)、葛根(カッコン)、細辛(サイシン)、黄苓(オウゴン)、酸棗仁(サンソウニン)など。

使用方法:
大きな鍋で30分ほど煮出して、バケツに水で薄めて温度を下げて、足を浸ける。10分〜20分。

適さないケース:
1. 足部に外傷、水泡、炎症、化膿などある方
2. 食前食後の1時間以内
3. 妊娠中および月経期の女性
4. 出血の病状のある患者(吐血、便血、脳出血、胃出血)
5. 腎臓や肝臓の疾患、心不全などで通院している患者
6. 急性伝染病、急性中毒、外科急病の患者

足浴漢方体験につづく

どぶろく

日本酒を自分でつくってみたくなった。
どなたか、小さな造り酒屋を何年か貸してくれないだろうか。杜氏さんといっしょに毎日そのことばかりを考えて生きる。こういうことに身上をつぶすことこそ、男に生まれてきた意味がある。社会的な評価の高い仕事なんぞは、女にやらせておけ!
とりあえず頭を冷やすために、どぶろくを造った。ここは上海。自分の飲む酒さえ作らせない日本の法律のおよぶところではない。
どぶろくといえば、学生のときに京都駅の裏のほうの、その当時はまだちょと危ない地域だったところの安くて美味い焼肉屋。でかいヤカンでグラスコップになみなみと注がれる、あの白く濁った冷たい液体。こってりした肉の脂に、スッキリした酸味のどぶろく。茹で豚からはじまって、皿からはみ出さんばかりに敷き詰められた生レバ、いろんな部分の焼肉、ホルモン、ニラやキャベツがあふれるモツ鍋を、4人の学生が腹いっぱい飲んで食べて、1人2000円以下だった。そのどぶろくの酔いは、なぜか笑えてきて、帰り道にみんなで笑いが止まらなかった思い出がある。
あのどぶろくが飲みたい!
米こうじ
酵母ヨーグルト
水温度
もちろん簡単な作り方で、麹やイースト菌などは市販のものを使う。乳酸菌はヨーグルトをそのまま使う。麹は、日本の友人が飛行機に乗せて持ってきてくれたのが2キロほどある。これで辛子味噌を作る予定もあるが、それでも余るから、何度かどぶろくが作れる。どぶろくの作り方は、ネットで検索してもいろいろ出てくるが、簡単に言えば甘酒をつくっておいて、その糖分が酵母による発酵でアルコールになる。
実は、一度失敗している。そのとき冬で、甘酒をつくる段階で58度に保温するつもりが、40度前後に冷えてしまって、それだけならあまり甘くない甘酒になるはずが、なぜか臭い。納豆の匂いがする。おかしい。納豆はうちにはないはずなのに、どういうわけだろ?ここでピンときた人は鋭い。臭豆腐だった。臭豆腐は、納豆と同じ納豆菌と酪酸菌。週に一回くらいこれを食べているうちの台所には、その菌が土鍋や食器やなんかにわずかながらくっついていて、活動できる環境をしぶとく待っていたのだ。今回は念入りに容器を熱湯とアルコールで消毒した。天日干しもしてみた。
この数日の上海の気温は連日38度に達し、発酵の足は速い。3〜4日かかる道のりを2日で到着する。いろいろ仕込んでから半日で酒の香りがしてくる。部屋に充満する幸せの香り。容器の蓋を開けて、耳を澄ますとプツプツと炭酸の弾ける音。かわいい奴め!まる1日経ったところで味見をすると、すでに出来ていた。
どぶろく
どぶろく
どぶろく
これだ!この味。この酸味。発泡の刺激。米の香りとほのかな甘味。冷やしてスッキリと飲めるから、暑い日の昼に、ついいってしまって、快楽きわまりない。スタッフもコックさんも、味見するといっては、それ以上に飲んで、陽気になりすぎて、仕事にならない。二人とも女性だから、恋愛話に花が咲いて、独身男の店長は分が悪い。思っているよりもアルコール度数が高いらしい。二人とも、もう一口だけ味見をすると言うところでストップ。また明日も明後日も飲めるからいいじゃないか。
今回は、甘酒の段階の甘味が足りなかったが、出来上がりを漉して冷やして飲んでみると、かえってそのほうがプロの味という感じがして良かった。
酒饅頭
酒饅頭
余った酒糟は、小麦粉で練って、砂糖と塩を少しだけ足して、蒸篭で蒸して酒饅頭にした。これがまたいける。パクパク食べる。しかし、酒糟の絞りが甘すぎて、饅頭にもアルコールが残りすぎ。酔いを増す原因になった。明日からはほどほどにしよう。毎日ほろ酔い程度が、ちょうどよいだろう。

足摺岬へ

旅をしていた。
つい先日の日本の味が忘れられず、上海に戻ってからの食事が喉を通らない。食べたいものを食べないのは健康によくない。思う存分食べて、この気持ちを静めるしかない。すぐに親戚に連絡して、チケットを手配して、上海から愛媛県の松山へ飛び、日本の旅の続きが始まった。
今回は八幡浜から列車やバスを乗り継いで、内子、下泊、宇和島、御荘、外泊、宿毛、中村、そして最南端の足摺岬へ。いったん八幡浜へ戻ってフェリーで九州の別府に渡り、熊本、阿蘇の黒川温泉、久留米、最後は福岡空港から上海に戻った。
四国の一週間は、人が少ないせいだと思うけれど、いつもとは違う世界に入っていた。その入り口の門をくぐったのは、行きは松山空港から八幡浜行きの高速バスだったろうか、車窓からの景色が、緑に支配されるようになり、二人だった乗客は途中から自分ひとりになる。八幡浜の商店街はがらんとして、動く人がいないので、時間が止まっているように見える。もう10年も前から止まっていそうな雰囲気がある。内子の街道を歩いていると、見ず知らずの子供がすれ違いざまに「こんにちは!」というので、後ろを振り返って見ると誰もいない。人が少ないから、行くところ行くところで、ひとりずつ対面するような感じになる。どこへ行っても人が多すぎて、むしろ人が居ないかのように振舞わないとやっていられない上海とは、大きく違う世界。
ある宿での夕食は、八十八箇所めぐりお遍路のおじいちゃんと二人だけだった。おじいちゃんは糖尿病になってから登山をはじめ、毎日12キロを歩き、昨年はキリマンジャロを登ったが、それはあくまで毎日酒を飲むための運動。飲める相手を見つけると、ポケットからワンカップ黒霧島を出す。九州の人だった。
鰻の貿易業なのにヤクザに見える親分は、子分を連れて石鯛釣りに来ていた。ややこしい客に相応しい金を釣宿に落とすように遊び、どんなに酒を飲んでも気持ちのいい話だけをして、他の客には細心の心配りをする。昔の男の作法という感じだった。
その他にも、路線バスやタクシーの運転手さん、民宿の夫婦、釣り船の船長、そうめん流しのおばあちゃん、割烹料理屋の主人、13年ぶりに尋ねた親戚など、少しの会話を交わすだけで、その人たちの生き様が見えるような気がした。
みんなひかえめな人たちで、こちらから何も言わなければそっとしておいてくれるが、ひとこと、「美味しい料理を求めて、旅をしに来ました」と言うと、快くもてなしてくれる。
宇和島
下泊
石垣
ホゴホゴ
ホゴホゴ
ホゴ
まぜごはんフカ
ウニウニ
はらんぼさつま汁
メジカ焼酎
足摺岬
はっと丸土佐清水の鯖
馬刺し土佐鶴
トマトそば
四万十川
薬師谷渓谷のそうめん
八幡浜港
上海にいると、日本にいるよりも日本の経済はもっと大きく変化する。今の自分にとっては、日本の田舎が海外旅行でもっとも値打ちのあるところとなった。過疎化のすすむところはとくに、回収の見込みのない公共投資で道路は綺麗だし、赤字路線のバスや列車はほぼ貸しきりで走る。町営の温泉施設は50億円で建設され、毎年1億円の赤字なのに、一回500円で利用できる。大きな露天風呂にひとりで浸かって太平洋を見下ろす。
素人の目からみても、漁業はどこかおかしいことになっている。例えば、天然の鯛一匹が市場で1000円で売られていても、それにかかるコストの漁港や市場や漁協の施設、船や網などの設備、燃料や釣餌や氷、漁師さんの人件費などをすべて合わせると、どう見ても1000円で済むはずがない。天然の鯛一匹に2000円ほどかかったとして、差額の1000円は税金で補助されているのだろうか?もしも中国で同じクオリティーの天然の鯛が売られたら、それは間違いなくコストに見合った2000円の値がつくだろう。だから、外国からの旅人にとっては都合がよい。日本人の心のゆきとどいた上等なものが、安く食べられるのだ。
印象に残った料理は数あるが、いちいち写真を撮っていないし、メモもしなかったから、すべてを覚えていない。思い出せる範囲で、いくつか書いておく。
八幡浜の大島で釣られたホゴ(カサゴ)は、25センチ〜30センチの良型が5匹ほどあった。おばあちゃんが刺身と煮付けにしてくれた。ホゴは鰭や頭の棘が鋭くて、捌くときに手に刺さる。でも刺身は味の濃い白身で旨い。酒は辛口でないと歯が立たない。新鮮だから、煮付けには生姜を使わない。肝もいっしょに煮て食べたが、これが絶妙。煮付けの骨を碗にとっておいて、熱い煎茶を注いでその出汁を飲んだ。
メジカはカツオのことで、上り鰹の小さいのをしっかり焼いて、麦味噌と生姜で食べる。これがもう、これこそが焼き魚の味であるという焼き魚の味をしている。
このあたりのウニは解禁直後で、瓶詰めの作りたてを食べたが、叔父が言うには、1年経ったくらいのほうが、アルコールがまろやかになって旨いらしい。生も食べてみたが、酒の肴には瓶詰めがいい。
さつま汁を作ろうとして、はらんぼと呼ぶ魚(イシモチの一種のほたるじゃこで、宇和島名物のじゃこ天の原料)を焼いて、中骨を外してすり鉢で擂って、麦味噌とあわせて用意していたけれど、あれこれ食べているうちに食べるのを忘れた。じゃこ天は八幡浜の二ノ宮てんぷら店のもので、それはまぜご飯で食べた。
八幡浜漁港の市場でフカ(鮫)の湯引きと鱧の落としを買ってきて食べ比べた。フカも鱧には負けない美味しさがある。70センチほどのフカを湯引きにするには、それが姿のまま浸かるほどの大鍋が必要で、しかも鮫の皮をたわしで擦って落とす作業がたいへん。なので最近の家庭ではつくらない。おなじく漁港の市場で買ったマエビと呼ばれる小えびはかき揚げに。店の人が言ったとおり、本物の蝦の味がした。
宇和島の薬師谷渓谷そうめん流しは、老人会が運営していて、おばあちゃんたちが、椎茸や煮干から出汁をとったツユと手打ちそうめんでもてなす。薬味は刻んだ紫蘇が良かった。冷たい山水でひきしまったツルツルの麺。どれだけ食べても600円。ここでも客は自分ひとり。
八幡浜からバスで40分の下泊の近くの民宿「Seasideうわかい」は、山が抱きかかえるような湾の奥にある。雨続きでたまたまかもしれないが、ここも泊り客は自分ひとり。若い主人の魚料理はいろいろあって楽しい。アジ、グレ、ホゴの刺身。カルパッチョもよかったけれど、ホゴ(カサゴ)をさっと丸揚げにしてトマトソースをかけたのがすごかった。煮付けにすると頭の太い骨のゼラチン質のところが溶けてしまうが、丸上げのはそのまま骨の周りに透明のそれが残っている。筏で自分が釣った魚も料理してくれて、カワハギは煮付けに。キスは開いて一夜干しに。これがまた火の通り具合や味付けが絶妙だった。「ここは魚しかないもんで・・・」と主人は謙虚だが、どんなにお金を出したって、こんな上等な魚料理は中国では食べられない。
足摺岬の民宿は、路線バスの運転手さんに美味しい魚ならここしかない!と教えてもらったところ。その宿の釣船「はっと丸」の船長は、映画の釣りバカ日誌にも出演したらしい。自ら釣ったり仲間から仕入れた魚は日によって違うが、上等なのは土佐清水の鯖。この鯖の刺身はすごい。速い流れを泳ぐ脂の落ちた身は、刺身包丁が通らないくらいモチモチ。そして甘い。むちゃくちゃ甘い。これを焼いたのは身がフカフカしてやわらかく、鯖じゃないみたいだった。
宇和島の消防所のそばの割烹料理屋は、従兄弟に教えてもらって行ってみた。そこの塩辛は衝撃的だった。これについては別の記事に詳しく書くことにする。昼に中村の寿司屋で四万十川の天然鰻を食べたところだったが、大将は天然鰻にはちょっとこだわってますというので、白焼きにしてもらった。これも見事だった。
熊本の馬刺しは、牧場直営店のを叔父さんが自転車で3時間かけて買ってきてくれた。生姜醤油をちょっとつけて食べる。肉や血の臭いが全くしない。旨味が濃いのに後味はさっぱり。箸が止まらない。叔父さんはそれを見て嬉しそうで、焼酎が止まらない。ストレートで五臓六腑を刺激する九州男児の飲み方だった。馬刺しを食べきらないうちに、天草から釣りたての大きな鯛2匹の差し入れがあって、刺身で食べたが食べきれない。残りをだし醤油漬けにして、ご飯にのせて熱い煎茶を注いで蓋をしてちょっと蒸らして食べた。鯛の身の表面は白くなった半生になる。こちらではこれを「鯛めし」と呼ぶ。だし醤油に生卵を溶いてもよい。もちろん鯛の煮付けは頭を食べた。骨は碗にとっておいて煎茶を注いで飲んだ。おばちゃんが庭で野菜を完全有機栽培していて、トマトが濃い。これで焼酎が飲める。
あちこちで日本酒や焼酎を飲んだけれど、冷えた土佐鶴の生酒300mlと鯵鮨をスーパーで買っておいて、足摺岬を眺めるところで飲んだ。これがいちばん美味しい酒だった。
上海に戻ってこの文章を書いていると、もっと知らないところの日本の味を試したくなった。消化のためのプーアール茶と、酔い止めのための田七人参を持って、また日本を旅したい。題して、「店長、日本を食べる!」。この企画にスポンサーつかないかな。時間はあるんだけれど・・・・・

ほーたれ鰯

ANAの国内線で愛媛県の松山へ。
道後温泉でひとっ風呂あびてから、宇和島行きの特急潮風に乗る。だんだんと緑が多くなって深くなって、違う世界に入ってゆく。
道後温泉
道後温泉
八幡浜
従兄弟の結婚式が大洲で行われ、その夜は八幡浜にて身内だけの宴会がある。朝から食事を控え、披露宴のフレンチのコース料理もパスした。死ぬほど飲み食いさせるのが、こちらのおもてなしだから、どっちみち食事を残すことになる。それなら、美味しい魚だけでお腹をパンパンに詰まらせたい。
鯛そうめん
鯛そうめんは、この地方の宴会を代表するハレの料理。鯛2匹が使われる。一匹はそうめんつゆをつくるために、一匹は姿焼きに。ひと碗ごとのサイズのそうめんを大皿に盛り付けて、色とりどりの薬味をそえて、真ん中に鯛がドンと乗っかる。食べても食べて食べたりない料理のひとつ。
沖うるめ
沖うるめは、高知から取り寄せた干物。八幡浜の魚は旨いが、どういうわけか干物はいまひとつ。酒の肴に干物なしではいけないというだけの理由でここにある。キスに似た魚だが、もっと痩せていてその割には脂がのっていて、旨味が濃い。
沖うるめ
イサキの刺身は、皮のところが少し炙ってある。歯ざわりの良い食感。噛むごとに皮と身の間の旨味がにじみ出る。船盛りの刺身には、ヒラマサ、太刀魚、生蛸、海胆、鮑などがあった。
鯵寿司
鯵寿司
鯵寿司は、近所のすし屋の創作料理。このオーダーがあると、すし屋の大将は自分の船で海へ出る。その日釣った鯵でこれをつくる。葱、生姜、しそ、みょうがなどの薬味が覆い隠すほどのっかって、大盆いっぱいに敷き詰まる。血の濃い男の料理だけれど、繊細な味がする。ふわっとしている米の具合もよい。みんなが「オイシイオイシイ」と言って食べ続けて、他の料理は残しても、これだけは残らなかった。
吹毛剣
お酒は、日本酒の「吹毛剣」、焼酎の「魔王」など。披露宴のときからずっと飲んでいた。静かに人の行動を観察していた。田舎の人の心を知り(そういうことがちょっとはわかるような年齢になった)、ぐっとくるのを噛み殺すのにはお酒がいる。
八幡浜の魚市場
サザエ
八幡浜の魚市場
翌朝5時半に起きて、歩いて20分の魚市場へゆく。八幡浜の魚市場は、たしか四国で一番の出荷量があると聞いたことがある。場外には大阪や東京行きの長距離トラックが列をなして待機している。市場の一部には一般の人でも魚が買えるところがあって、小売もしてくれる。
鯛
ヒラマサ
いろいろ
めひかりフカ
太刀魚鱧
旬の鱧や、都会に比べたらびっくりするほど安い高級魚は見るだけにして、買った魚は、ほーたれ鰯と湯引きにしたフカ(鮫)。
ほーたれ鰯
ほーたれ鰯
ほーたれ鰯はカタクチイワシのこと。指で腹を割いて頭をちぎって中骨を抜く。冷水で血を洗ってから水を切り、生姜醤油で食べる。マヨネーズをかけてもいい。やわらかい腹骨が残っているが、それを噛むと甘味がでてくる。一時間ほど醤油に浸けて、温かいご飯に乗せて熱い湯を注ぐ「魚めし」にする手もある。そろそろ旅が終わりに近づいてきたなと、ふと寂しくなる。子供の頃の夏休みの終わりにも、同じような想いをした。味が昔の記憶を引っ張り出してくることが、自分にはよくある。
最後に、従兄弟といっしょに僕らの聖地へ行った。
高野地
高野地
高野地高野地
高野地高野地
高野地
高野地
高野地
こういう場所があるのは幸せだと思う。また来れるだろうけれど、来るたびに遠いところになっているのは、残念ながら事実だ。
今回は、親戚が集まったから、同じ血筋の人たちで、すでに亡くなった人や、そろそろ老後のことを考える人、結婚して新しい生活を始める人、人生が始まったばっかりの小さな甥や姪を一度に見ることになった。なにか不思議な感じがした。
若松旗店
若松旗店
帰りのバスを待つ時間に町を歩いていたら、創業文政五年と書いてある染めものの工房を見つけた。鯛の手ぬぐいのデザインに惹かれた。これを自分の土産にした。

梅雨入りの江戸前穴子

このブログのおかげで、親戚や友人たちを尋ねると、美味しいものを食べられるように協力してもらえて、どこへ行っても美味しいことになる。
東京湾の羽田沖の穴子、つまり江戸前穴子は、6月の梅雨に入る今が旬で、そいつを自分で釣って食べようと、友人が段取りしてくれた。アナゴは夜行性のため夜釣りとなる。仕事を終えてからモノレールに乗って羽田空港の近くの天空橋の釣り宿へ行き、夕方6時に出船、夜10時に戻ってくる。道具や餌は船が用意してくれるが、東京湾といえど海へ出れば波風はまともに身体を洗う。なので服装は完全装備が望まれる。釣れた穴子は船頭さんが船の上で裂いて、骨と身にしてビニール袋に入れてくれるので、あとは持って帰って料理するだけ。
余談だが、その日15人くらい乗っていた船には、釣りのテレビ番組の撮影が行われていて、女性のレポーターが釣りをしてた。席が遠かったので、顔は見えなかったけれど、後に船頭さんがその方は、児島玲子さんだったと教えてくれた。児島玲子さんといっしょの船に乗っていた。
東京湾
穴子釣り
穴子の餌はゴカイ。一回目のアタリがあってから少し待って、二回目のアタリで合わせる。一回目のアタリさえあれば、そう簡単に餌を放さないので、技術的には難しくないが、その日は喰いが悪く、肝心の一回目のアタリの数が、人によって大きく異なった。それが、餌の違いなのか、餌を躍らせるアクションなのか、光モノの道具の差なのか、最後までわからず、コツがつかめなかったが、それでも友人とあわせて合計16匹の穴子が釣れた。船から上がって、釣り宿がモノレールの駅まで送ってくれて、浜松町から山手線に乗り換えて、キッチンのあるところへ向かう。
穴子
穴子
穴子
穴子
穴子
穴子
穴子
穴子
料理人でもある友人が腕を振るって、白焼き、煮穴子、肝焼き、天ぷら、骨せんべい、薬膳スープ(十全大補湯・薬膳スープの素材セット使用 )と、怒涛の穴子尽くしを作ってくれ、朝の3時まで食べた飲んだ。ぜんぶ美味しいけれど、やはり釣りたては白焼きが格別だった。美味しいお酒と薬膳スープのせいか、ぐっすり眠って、朝起きてみると二日酔いも胃もたれもない。余韻がない。まさか夢だったのではないかと不安になり、デジカメで撮った写真を確かめた。しかし夢は、これがはじまりだった。
タイカレー
尊敬する女性経営者の先輩は、自宅で手作りのレッドカレーとグリーンカレーを作ってくれた。フランスへ出張中の旦那さんが冷蔵庫に冷やしていた白ワインを、「ちょうどよかったわ!」と出してくれたが、それがあまりにも美味しすぎたので、本当に良かったのかな?と、心配しつつぜんぶ飲んでしまった。
うなぎ
老舗の鰻も食べられた。蒸してから焼く関東の蒲焼。でも友人の頼んだ志良焼き(白焼き)どんぶりのほうが旨かった。うっすらと醤油が塗られていて、ご飯と合う。熱燗で昼からごきげん。
いづ重
いづ重
京都は、まちがいなし。
鯖寿司が好きで、必ず食べるけれど、昔は美味しかったあの店のはこのところずっと調子が悪いので、別の店のがお気に入り。祇園石段下の「いづ重」の鯖寿司がいい。一日置いたほうが味がしまる。売り切れることがあるから予約がいる。
鮒寿司は、錦市場の「魚重」のを確保して上海に持って帰るつもりが、不覚にも両親の家に忘れてしまった。忘れたことがわかった瞬間に、両親に食べられてしまった。美味しいものから順番に食べるのは、うちの血筋である。
鮎一
旬の川魚は鮎。まだ若いから、身はやわらかすぎるが、香りはいちばんいい。「鮎一」の由良川水系の天然鮎の塩焼きは格が違う。他の店の鮎は食べない。背ごしの骨も柔らかく、骨の甘味がよかった。一夜干しは美味しすぎていけない。美味しすぎるのを調子に乗って食べ過ぎると、美味しくなくなるから、一匹だけにしておいた。
洋酒とカクテル
サントリーオールド
親の代から通っている縄手のショットBARでは、昔のサントリーの話になって、「洋酒とカクテル」という本(裏表紙に鳥居信治郎とサインが入っていた)や、KOTOBUKIYA LTDと社名が印刷されたサントリーオールドを見せてもらった。オールドの中身がないのは、数年前に山崎工場のブレンダーがこのBARに飲みに来て、「あまり長い間置いたら、瓶の内側が溶けてきて不味くなる」と言ったから。その場で空けてみんなで飲んだら、実にまろやかで美味しくて、空けて損した!とママは憤慨したらしいが、このオールドウィスキーからしたら、いちばん飲んでもらいたい人に飲んでもらったのではないかと思う。
祇園で50年もバーテンをして人を見てきたママの恋愛講座がはじまって、「かしこい振りするアホよりは、アホな振りするかしこい彼女を選びなさい」と言われたけれど、それは女性だけのことではなくて、男もそうだなと、自分のことを振り返ってぞっとした。もしかして、京都人らしく遠まわしに警告してくれたのかもしれない。
プロペラ機
美味しい夢のつづきはまだある。

成都のお昼ご飯!@上海

今日のお昼ご飯は四川料理である。
四川省の成都へ料理の勉強のために日本から留学しているPigsan(ただいま長い旅の途中)が上海に来ていると聞いて、半日拘束してうちで料理を作ってもらうことにした。上海にある限りの食材や調味料で、四川の味を再現してもらう。早朝の市場への買出しからはじまる。当店のコックさんはそれをサポートする。成都で買ってきた唐辛子や花椒、四川泡菜は自家製のがある。そもそも泡菜魚などの一連の泡菜料理は、私が成都を尋ね、Pigsanに案内してもらったときから始まったのだった。
Pigsan
豚足など
ギギ
当然、今日もたくさんの泡菜をつかう。
草頭など泡菜
実は昨夜に急にこれを思いついてお願いした。「料理はお任せしますけれど、上海にもあるような味では、うちのコックさんのほうが美味しいかもしれませんよ」と言っておいた。何を作るろうか一晩考えてきたらしい。
椒麻猪爪
黄辣丁
泡汁蛤蜊湯
椒麻猪爪(酸っぱい甘い汁漬け込み豚足)
黄辣丁(ギギのラー油スープ煮)
泡汁蛤蜊湯(アサリの漬物汁スープ)
バンバンバーン!と瞬発力が火を噴いたような料理だった。慣れないところでも力を発揮するプロの仕事を見せてくれた。やはり唐辛子や花椒が怖いくらいにたくさん入った。見るだけで汗が出た。スープはなぜかタイの北部の味と似ていた。詳細については、当店のコックさんがこの研究の成果を発表するときにしたい。
柏香老臘肉のご飯
ギギ
ご飯にちょっとした工夫。柏香老臘肉と唐辛子と卵を炒めてちょっと載せて食べる。
食後にお茶「下関銷法沱茶90年代」でいっぷくしてすぐにPigsanはまた旅に出た。さすらいの料理人だ。かっこいいなそれ。美味しいところをもって行かれた気分だ。

BeMyGuest@上海

ちょっと前の話になるが、2月の末ごろ、このブログの更新が10日ほど止まったことがあった。実はそのとき、初めての「上海のお昼ご飯教室」が行われていた。その準備に7日間かけて、3日間は昼と夜とぶっ通しで料理を作り続けた。
生徒さんは、友人の寺脇加恵さんひとり。東京でヴィンテージアパレルの輸入販売「Haute Vintage」や、パーティフードケータリング「BeautyBar」を経営していて、空手の先生もしている多才な人。5月からパーティーフードの料理教室「BeMyGuest」が始まるので、そのメニュー開発の参考に、「上海のお昼ご飯!」の舞台裏をのぞき見たいという依頼であった。
早朝に市場に買出しに行き、昼と夜のご飯を作る。当店のコックさんが黙々と作って、寺脇さんがメモを取り続ける。晩ご飯を食べてからキッチンの掃除を終えると、もう夜遅い時間になって、一日が終わる。また早朝に集合して市場に行く。
BeautyBar
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上海のお昼ご飯教室の菜単(メニュー)
虫草燉鶏湯 (冬草夏虫と鶏のスープ)
香攤攷 (チンゲン菜と椎茸の炒めもの)
塩水鴨 (鴨のスパイスのタレ漬け込み茹で)
薬膳糖醋排骨 (スペアリブ蒸し焼き薬膳酢仕立て)
芋頭蒸咸肉 (里芋と塩漬け干し豚肉の蒸しもの)
清炒豆苗 (豆苗の炒めもの)
韮菜蘑敲魚 (鮒と韮の薬膳スープ)
揚州獅子頭 (揚州の肉団子)
大盆鶏 (鶏とジャガイモのスパイスビール煮込み)
薺菜豆腐湯 (ナズナと豆腐のスープ)
咸蛋黄炒渡蟹 (渡り蟹の塩黄卵炒め)
蝦仁焼売 (もち米と蝦のシュウマイ)
干貝炒飯 (干し貝柱のチャーハン)
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これだけそろっていながら、なぜか良い手ごたえが得られない。なぜだろう?と思いながらも、料理はどんどん作られ、時間は過ぎてゆき、焦りがつのり、疲労の色が濃くなってゆく。わざわざ東京から来た寺脇さんも、同じような思いをしていたかもしれない。
この数日のことを忘れる頃になって、ようやくわかってきたのは、「上海のお昼ご飯!」の舞台裏を見ることへの期待は、どんな材料を使ってどう作るかという、いわゆる料理のレシピを知りたいのではなくて、その料理に隠されている様々な知恵を学びたいのだと思う。技術の知恵、道具の知恵、味付けの知恵、栄養の知恵、保存の知恵、節約の知恵。伝統ある料理が受け継ぐ知恵があり、質素倹約を美徳としてきた家庭料理ならではの知恵もある。
そうしたことを、当店のコックさんは、コックさんのお母さんや、レストランの厨房で教わってきたのだが、それは実践の繰り返しと、ごく簡単な言葉だけで伝えられたものであって、それ以外の方法を持たない。なぜその野菜はこう切るのか?なぜそのタイミングで調味料を投入するのか?なぜそれは土鍋を使うのか?そうしなければ、美味しい料理にはならないという事実だけがある。
課題ははっきりしてきた。さて、どうしようかな。

プラ子さんの連載はじまる

先輩のよーこさんといっしょに応援している、プラ子さん(アフリカで介護のボランティアをされている)の活動が、日本の女性向けの月刊誌で連載になる。
よーこさんのブログのその報告
5月号から。
宝島社の女性雑誌Steady
プラ子さんのブログのほうは、現地のネット事情や治安の問題で更新が滞っているが、たまにいただくメールでは、どうやら無事で生活されている様子。さらにもっと専門家になるべく医療関係の勉強をはじめるそうだ。


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美味しいプーアル茶

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