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肉骨茶(バクテー)の評価

2007年5月から販売をはじめた「肉骨茶(バクテー)の素材セット」 を、まだ研究していた時期に、ずいぶんと情報収集を手伝ってくれた香港の友人がいる。その人は、仕事や社会活動の範囲がアジア全般にあって、マレーシアの肉骨茶(バクテー)も、シンガポールの肉骨茶(バクテー)も、よく知っている。一時期はそれに凝って、マレーシアから友人が来るときには、あらゆるバクテー素材を持って来てもらって、肉骨茶を香港で再現する試みもしている。
その人が本日上海に出張があって、初めて当店の「肉骨茶(バクテー)」を食べてもらう機会ができた。コックさんも自分もかなり緊張していた。
当店が肉骨茶(バクテー)のレシピを研究している途中から、良質な素材に重点を置くようになった。市販の肉骨茶(バクテー)の素とは比べ物にならないくらいに、良質な香辛料や漢方素材を使用することが、ひとつの特色になると考えたわけだ。素材の質が違うと、香りの強さや、味の出方がぜんぜん違ってくるので、それにあわせたバランスを調整してゆくことになって、完成度が高まるほどに、本場の大衆食堂の肉骨茶(バクテー)とはかけ離れたものになっていった。それでも、味の良さが価格を裏切らないであろうということで、その路線を選び、現在に至るわけだ。
肉骨茶バクテー
さて、その友人の味の印象は・・・・・・・・・・
「しっかり美味しい上に、かなり高級感があるものに仕上がっている」「漢方の風味がマイルドで、味わい深い」と、評価してくれた。コックさんは、お世辞じゃないだろうか?と心配したが、本当に美味しいかどうかは顔に表れるので、言葉を疑う必要もない。ホッとした。
その他に、こんな話になった。肉骨茶を、マレーシア系とシンガポール系と2派に分けるとしたら、当店のはシンガポール系に近い。しかし、味の濃厚さはマレーシア系にも通じる。マレーシアのは具沢山でリブ肉以外に、揚げ豆腐、レタス、えのきなどいろいろ。スープに胡椒は入らず、香菜がつく。具は、生の大蒜と辣椒の刻んだのとが入った甘口の醤油ダレにつけて食べる。ご飯のおかずという感覚。シンガポールのは、具はスペアリブだけで、シンプル。胡椒がたくさん入っていて、店によっては漢方味が強い。ご飯のおかずというよりは、単体のスープとして楽しむ感覚。当店のは、胡椒が強く、具はリブ肉だけなので、どちらかというとシンガポール系になる。もちろんマレーシアにもシンガポール系の店があり、シンガポールにもマレーシア系の店がある。おそらくはどちらもマレーシアが発祥で、地域が異なるだけかと思われる。
そんなことよりも、もっと重大なことに友人が気がついた。
「日本の人がこのセットを買って、レシピに沿って自宅で作って食べる。もしその人が「肉骨茶(バクテー)」の未経験者であれば、たとえ美味しく出来たとしても、それが本来の味なのかどうか、わからないということだよね?」
「うん」
そういえば、お客様のコメントをふりかえってみると、たいがい、「本場の肉骨茶(バクテー)が忘れられず・・・」というような肉骨茶の経験者である。未経験者にはちょっと敷居が高いかもしれない。
お茶であれば、濃さを変えて何度か淹れてみれば、これは近いかなという味に出会える。料理となると、火の加減、調味料の配分、具やその他、いろいろな要素が関係するから、そこが難しい。しかし、それを解決するとなると、湯を注ぐだけで誰でも同じ味のインスタントラーメンのようなのを目指すことになる。もちろんそのつもりはない。あるいは、未経験者の方にも、いずれ本場の味を試してもらわないと、当店の肉骨茶がいかほどのものか、よくわからないことになる。
けれど、これでいいと思う。

暑い日の肉骨茶(バクテー)

いかんいかん。9月もまたアジア方面へ旅行したいなと思って、ネット検索していたら、だんだんつまらなくなって、行くのが億劫になってきた。情報収集もほどほどにしないとな。
さて、久しぶりに肉骨茶(バクテー)の素材セットの肉骨茶を食べた。マレーシアやシンガポールの暑いところの庶民の料理だが、当店でこのレシピの研究をしたのはまだ涼しい時期だった。上海の暑い夏に食べるとどうだろう?
肉骨茶(バクテー)
肉骨茶(バクテー)
肉骨茶(バクテー)
ん?こんな味だったかな?と思ったのは、煮込み時間がちょっと足りないせいだった。当店のレシピには2時間〜2時間半としているが、今回の煮込みは2時間に達していなかったらしい。さらに30分ほど煮込んで、ちょうどいい具合になった。胡椒が利いているので、スープを飲むと汗がにじむ。それでも暑苦しく感じさせないのは、漢方風味の爽快感のため。そして肉は、暑いときの味覚がそうさせるのだろうか、甘い醤油にしし唐とニンニクのタレにつけるのが美味しい。甘い醤油は、日本の南のほうにはあるようだが、関西や関東では、醤油にちょっとみりんを足したらいいのではないかな。
なにしろこの肉骨茶のスペアリブは、いくらあっても足りない。もっともっと食べたい。焼いたり揚げたり蒸したり、あるいは普通に夏の野菜とスープにしても、こんなには食べられないだろう。夏バテにちょうど良い。
厚紙黄印七子餅茶プーアル茶
読書は「人斬り以蔵」(司馬遼太郎)。
お茶は「厚紙黄印七子餅茶プーアル茶」。透明感のあるやさしい味わいが、読書を邪魔しない。夜はちょっと涼しくなってきたから、熱いお茶もいい。上海でひさしぶりにカフェめぐりでもしようかな。

肉骨茶(バクテー)の素材セット発売

肉骨茶(バクテー)の素材セット発売開始。
「肉骨茶(バクテー)の素材セット」
いろいろ考えた末、味付けはシンプルでノーマルというかニュートラルというか。個性も控えめ。いや、もともと個性の強いものだから、奇をてらうような味付けはしていない。結局はそれが一番いいと判断した。
そういえば、市販されている固形のカレールーも、よく売れているやつは、あとひと味足りないくらいに調整されているのではないかと、そんな気がする。パッケージの作り方をなぞってそのまま作っても、なにかモノ足りないことがある。そこで、各自思い思いに調味料を足したり、スパイスを足したり、具を変えてみたり、野菜ジュースを使ったり、インスタントコーヒー入れてみたり。そうやって自分の味をつくって楽しむ隙間がある。それが家庭の味となって、なじみのあるものになるのだ。
それでも、初めて作るときには、当店のレシピどおりでまずは試して欲しい。できれば醤油も入れないほうがいい。

肉骨茶(バクテー)試作8

玉竹(ぎょくちく)
ユリ科の草の茎から根の部分。
玉竹(ぎょくちく)
漢方では肺を潤したり胃を強くしたりに使われる。煮込んだものは柔らかくて、食べられなくもない。味はほとんど無いが、ちょっとだけ甘い。
肉骨茶(バクテー)試作8
肉骨茶(バクテー)試作8
肉骨茶(バクテー)試作8
中薬袋に入るのは、黒胡椒、桂皮、茴香、丁香など。黒胡椒はちょっと潰したほうが断然風味が良いので、当店で潰すことになった。中薬袋には入れないで肉といっしょに煮込むのは、熟地黄、玉竹、党参、当帰、川弓、甘草、枸杞、黒棗、香據大蒜、生姜など。基本的にこれらはスープにする目的であって、食べるためではないので鍋の底に最後まで残るが、これでいいのだ。
今回も配合の微調整。黒棗を一つ足したのと、干し椎茸を2つだけ入れて、大蒜の量を、前回までは2玉半〜3玉だったのを、2玉にしてみた。もはや味が大きく変わることはないが、昨日のよりはやさしい味わいになった。椎茸を入れることで、口に入れた瞬間の味に厚みができる。それで醤油を入れたい気持ちを少し抑えられるなら、そのほうがいいと思う。醤油を入れると美味しいが、それと引き換えに個性を失うことになる。
炒素炒素
炒素(揚げ豆腐と野菜の炒めもの)。
揚げ豆腐に油面筋を使用。野菜は巻心菜(キャベツ)
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本日のお茶は「7582青餅94年プーアル茶」
大きめの等級の茶葉で作られた1994年頃の生茶の餅茶。酸味と渋味と苦味がまだまだ強いが、小さめの茶葉で作られたものに比べるとおっとしりた味わいがある。
7582青餅94年プーアル茶
プーアール茶の生茶を、個人が室内で長期保存して20〜30年後に楽しむという考えがあるのなら、今のところこの「7582青餅94年プーアル茶」が一番お勧め。過去に茶商の倉庫に一度入っているところが良い。個人が室内環境で長期保存するにしても、いったん茶商の倉庫に入ったものが良いと思う。なぜ?と思う人は、倉庫に入っていない新しい生茶と、倉庫に入ったことのある生茶と、試しに両方を手元に置いて、何年かの味の変化を見ると良い。
7582青餅94年プーアル茶
7582青餅94年プーアル茶
そんなわけで、定期的にこのお茶の味の変化を見ているが、今日は以前よりも酸味と渋みが際立っているように感じた。他のプーアル茶でもときどきあるが、味がいつもとちがうと感じることがある。季節の変わりめに一時的に茶葉がなんらかの変化をするのか、それとも飲む側の体調の問題か、2週間ほど置いてまた飲んでみると、たいがい以前の良い印象のときの味わいに戻っている。
ということは、茶葉はいつでもベストコンディションではないので、最低でも2回ほど、時間を空けて試飲をしないと、実力がわからないことになる。

肉骨茶(バクテー)試作7

熟地黄(じゅくじおう)。
ゴマノハグサ科の草の根がイモみたいに肥えた部分を、酒に漬けては蒸してを何度も繰り返して乾燥させたもの。
熟地黄(じゅくじおう)
肉骨茶(バクテー)の黒いスープは熟地黄(じゅくじおう)のせい
肉骨茶のスープが黒いのは熟地黄のせい。これを肉骨茶一回分で20gくらい使用する。
本日は、前回話していたように、甘草を3gに減らして、椎茸も使わない、醤油も使わない。引けるだけ引いた味付けになった。
肉骨茶(バクテー)試作7
肉骨茶(バクテー)試作7
肉骨茶(バクテー)試作7
味に透明感があり、薄いと感じるが、深みがあり、スパイスや漢方の一つ一つの味がはっきりとしていて、いままで一番良かったと思う。自分はこれが良いが、もしかしたら、日頃から濃い味や、化学調味料の強い食事をしている人には物足りないかもしれない。あと少し味の厚みについて調整してみて、販売開始とゆきたい。醤油は、当店のレシピとしては入れないで、お客様の好みで足してもらうのがいいと思う。
菰菜(マコモダケ)青椒豆干菰菜絲(ピーマンと押し豆腐とマコモダケの炒めもの)
青椒豆干菰菜絲(ピーマンと押し豆腐とマコモダケの炒めもの)
マコモダケは、 「田鰻とマコモダケの炒めもの」などが美味しい。
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本日のお茶は「大益茶磚96年プーアル茶」大益茶磚96年プーアル茶
倉庫での保存熟成が強くて、包み紙はボロボロ。茶虫が付いた跡はあるし、茶葉の表面は白っぽい部分もあるしで、なかなか迫力がある。
大益茶磚96年プーアル茶
大益茶磚96年プーアル茶
入荷したときはそれほどでもなかったが、この6ヶ月ほどで変化して、シナモンのような香りが出てきている。当店の熟茶で、過去に人気があったひとつ「7581雷射プーアール磚茶88年」とちょっと似ている。
湯の色の赤味が強いのも熟成の強い証拠。レンガ型に押し固められた茶葉が、長期保存されている間にゆっくりと厚みが増してきて、分厚くなっている。これも熟成の強い倉庫に起こりやすい現象の一つ。いったん乾燥しきった茶葉が、倉庫の湿気を含み、少し膨れる。そして乾くときには元に戻らないから、厚くなったままになるらしい。

肉骨茶(バクテー)試作6

ちょっと前に知人から「ブログは料理の話よりも、海外生活のことや感情的な発言の部分が面白い」と言われた。実はこのところ意識して料理やお茶の話に内容を集中させている。そういう戦略なのだ。
さて、肉骨茶はすでに美味しいスープになっているが、もっと肉骨茶らしさが欲しい。肉骨茶らしい味とはなにかを探すことになる。
甘草(カンゾウ)
本日は甘草(カンゾウ)を入れる。漢方では咳止めや鎮痛に使用されるが、甘味が強い。まずは5g入れてみる。スタッフが中国語でネット検索をしたところ、いくつかのサイトで肉骨茶のレシピに甘草が使われていた。「十全大補湯・薬膳スープ」にもこれが入っている。甘草を入れた結果を見るために、干し椎茸を外した。椎茸は甘くはないが、いろいろ味が足されると、どれがどの味を構成しているかが分かりにくいのだ。どの味を効かせるかというのは、どの材料を足すかというのもあるが、どの味を引くかというのもある。
肉骨茶(バクテー)試作6
肉骨茶(バクテー)試作6
肉骨茶(バクテー)試作6
低いめの温度で煮出す上品で透明感のある味わいのスープ、上湯(シャンタン)は、口に入れてからしばらく味覚のピントがはっきり合わないような感覚がある。湯のように透明なのにじわじわと旨味が押し寄せてくる。肉骨茶のスープは、漢方素材もいろいろ入っており、そこまではゆかないが、ごちゃごちゃ足していた味をひとつひとつ引いていった結果、透明感が出てきて、じわじわと旨味が感じられるようになってきた。甘草のせいで、口に入れた瞬間の甘味がやや強い。砂糖の甘味とちがって後に残らないので、他の材料の味が消えることは無い。仕上げに大さじ一杯だけ醤油を入れた。3リットルあるスープに大さじ一杯だけの醤油がものすごく効果がある。それほど味の透明感があるということだと思う。明日は甘草を3gに減らして、黒棗を1つ増やして試す。
炒甜豆(スナックエンドウの炒めもの)蠣貝辣醤炒[魚尤]魚(イカの蠣貝辣醤炒め)
炒甜豆(スナックエンドウの炒めもの)
蠣貝辣醤炒[魚尤]魚(イカの蠣貝辣醤炒め)
自家製の調味料「蠣貝辣醤」を使用。ご飯にかけて食べる。
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本日のお茶は、 「沈香老散茶50年代プーアル茶」 。
沈香老散茶50年代プーアル茶
年代モノのプーアール茶には、「沈香」と呼ばれるお香のような香りが混じることがある。だいたい30年以上保存熟成されたものにその香りが発生する。この「沈香老散茶50年代プーアル茶50年代」は名前のとおり1950年代のものだが、どういうわけかそのお香の香りの「沈香」だけがある。
沈香老散茶50年代プーアル茶
それがあまりにも純粋なのでより強く感じる。プーアール茶の香りは、口から鼻に抜ける内側からのもので強いといっても、外から香るほどではない。
1950年初期に消滅していった、民営の小さな茶荘が作っていたもので、その当時はお店の名前もお茶の名前も「○○号」と名付けられたのが多くて、その一部のプーアル茶は「号級」と呼ばれ、現在では最高級クラスのひとつ。この「沈香老散茶50年代プーアル茶」はその店の名前が残っていないので残念だが、同じクラスのお茶ではある。

肉骨茶(バクテー)試作5

本日は、骨付き豚肉を少し大きめで多くし、味付けは醤油を抜いて、塩と酒だけにした。醤油のない分、塩を多くするのだが、少しずつ足して、味をみることにする。
骨付つき豚肉丁香、桂皮、胡椒など 
豚リブ肉600g分。前回までは500g分だった。肉はやはり大きいほうが美味しい。2時間も煮込むから柔らかいし、脂も抜けている。
丁香や胡椒などのスパイス類は、ちょっと潰したほうが香りや刺激が強い。今後のはそのようにする。
肉骨茶(バクテー)試作5
肉骨茶(バクテー)試作5
肉骨茶(バクテー)試作5
塩を足しながら食べた結果、ちょっと不思議なことが起こった。塩の少ないうちは、甘味や苦味や渋みなどのバランスがよく、ちょっと味が薄いと思いながらも、もっと飲みたくなる味だった。塩を足してゆくほどに、甘味はうすれ、苦味や渋味が嫌な味へと変わった。かといって塩味の効きは悪く、塩を足したことがわからないくらいで、なんとなく全体的に嫌な味になるだけだったのだ。塩のにがりが強いということもあるが、これをヒントにして、明日からは、塩が少なくても旨味を感じられる方向に調整してゆく。醤油を入れると旨味はあるが、味の輪郭がはっきりしない。醤油抜きで味付けを研究してから、醤油を足すかどうかを判断したい。
冷拌猪肚(蒸した豚の胃袋と薬味たっぷり)紅椒炒芸豆(インゲン豆とピーマンの炒めもの)
冷拌猪肚(蒸した豚の胃袋と薬味たっぷり)
紅椒炒芸豆(インゲン豆とピーマンの炒めもの)
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茶室
茶室に入る光が明るい。気持ちいい。
写真とは関係ないが、先日テレビのニュースで、プーアル茶の取引のトラブルが紹介されていた。ある女性が2006年モノの新しい餅茶を5件だったかな?(円盤型の餅茶7枚1組の竹の皮の包みに1筒が12筒で1件で、5件ということは、合計420枚)購入する約束で代金(おそらく60〜70万円分)を支払い、そのまま品物を茶商に預けていた。ところがいつのまにか品物の姿は無く、茶商は「お金を全額返します」という。
お金が返ってくるのに、どこがトラブル?と思うかもしれないが、たった数ヶ月間で価格が上がっているから女性は損をしたことになる。茶商は女性に販売したよりも高い価格で別の人に売っている。
女性が購入した時点で品物を持ち帰らず茶商に預けていたのは、転売するため。客の出入りのある茶商の手元に置いて、高く売れたら茶商と利益を折半するはずだったが、茶商が自分だけ利益を取ったのでトラブルになった。幼稚園レベルだ。結局は茶商と女性が利益を分けて解決したらしい。数ヶ月間で値段が上がるのに、茶商が女性にお茶を売ったのは、そのお金でまた別の茶葉を確保して、量と回転率で勝負するためだ。
一件の餅茶84枚
1件すつ積まれているプーアル茶の餅茶。
素人が商売っ気を出して茶商の片棒を担ぐなんて、いかにも中国らしい。こんな話をテレビで見て、私もやってみよう!という人がまた増えて、新しいプーアール茶市場はますます熱くなり、飲まれて消費される以上に茶葉が作られ、それでも価格は上がり続ける。でも、いつか値上がりしなくなる。そのとき、茶商はすでに片棒を素人に担がせているし、素人も小遣いを失うくらいで、借金を苦に自殺するような人はないだろう。みんながちょっとづつ損をするだけだ。最後は自分で一生かけて飲めばいい。このリスクヘッジの仕方も、中国らしい。
年代モノのプーアル茶は、熟成の良し悪しや、銘柄や年代の鑑定が難しいので、素人が手を出さない。なので、古いお茶よりも新しいお茶のほうが今は値上がり率が高くなっている。2007年の新しいお茶のほうが、2006年、2005年のものよりも高くなりそうである。

肉骨茶(バクテー)試作4

漢方素材の質や乾き具合に差がある。
とくに市販の肉骨茶セットの材料はバリバリに乾燥させてある。おそらく機械を使って乾燥させる工程があるのだろう。パッケージの大きさや保存性や運送料のことを考慮した加工だと思う。当店で仕入れている素材は、ほとんどが産地で日干しされてから、そのまま上海の卸市場にくるから、完全には乾燥していないものもある。
肉骨茶の漢方素材
レストランで使ったり、病院が漢方薬を処方するのが主目的だから、それでいいのだろう。当店が商品化する場合にもそれで問題は無い。ただ、同じ味にはならない。同じ種類の漢方素材を同じ重量で使っても、ぜったいに同じ味にはならない。なので漢方素材の配合は独自に研究することになる。また、仕入れるたびに配合を変えることになる。
肉骨茶(バクテー)試作4
肉骨茶(バクテー)試作4
本日は干し椎茸を入れてみた。昨日の肉骨茶のスープも残してあって、本日作った肉骨茶と味比べをする。やはり椎茸を入れたほうが旨味がやや強く、口に入れた瞬間の厚みがある。そのかわり、漢方の複雑な味わいが一歩後ろへ下がる。ここから先の調整は、何かを足すと何かを失うことになりそうだ。例えば、醤油を入れない、大さじ1杯入れる、大さじ2杯入れる。これだけでも印象が違う。醤油は日本人になじみのある味だから、1杯、2杯と足すほどに、スープもなじみある感じの味になる。それと引き換えに、なじみのない異国の風味が薄れてゆく。しばらくこんなことを繰り返しながら肉骨茶(バクテー)を食べ続ける。
菜飯(チンゲン菜と塩漬け干し豚肉の炊き込みご飯)
菜飯(チンゲン菜と塩漬け干し豚肉の炊き込みご飯)
以前も「菜飯と黄豆骨頭湯」「咸肉菜飯」「栗子咸肉菜飯」など紹介している。基本的には中華鍋に油をしいて、咸肉(塩漬け干し豚肉)と生姜を炒めて、紹興酒で味付けして、チンゲン菜、米の順番で炒める。それから炊飯器に移して水を足して炊く。チンゲン菜の水が出るので、米を炊く水の量を調整する。レストランや弁当屋の菜飯は、炊いたご飯に咸肉やチンゲン菜を混ぜるが、昔ながらは米といっしょに炊くらしい。肉骨茶との相性はバッチリ。
老茶頭プーアル茶磚06年
本日のお茶は「老茶頭プーアル茶磚06年」のミルクプーアルティー。冷たいままの牛乳に、濃く淹れた「老茶頭プーアル茶磚06年」を注ぐ。牛乳も濃いほうが美味しい。不思議と砂糖を入れなくても、ほんのり甘味を感じる。ミルクティー好きにはたまらない味わい。

肉骨茶(バクテー)試作3

食べだすとまた食べたくなるのが肉骨茶(バクテー)。
お腹が減るたびにあの香りが恋しくなる。
肉骨茶のスパイス
肉骨茶
材料は少しずつゴージャスになってきている。
当店は原材料のコストを抑えず、いい材料をふんだんに使う。自分の食べるものを作っているからだ。大衆料理としての肉骨茶にとって、それはプロのやり方ではない。専門店にしてもスーパーで売られる市販の材料セットにしても、安い材料を使って美味しく安く便利に提供するところにプロの技術がある。そのような厳しい条件があったほうが、美味しくできる料理もあって、高級レストランが美味しい肉骨茶を作れるとは限らない。
しかし当店がプロにならなくても、困る人は誰もいない。素人っぽくてもいいから、自分の好きなようにいい材料を使って肉骨茶を贅沢に楽しみたい。
肉骨茶(バクテー)試作3
肉骨茶(バクテー)試作3
肉骨茶(バクテー)試作3
甘いめの醤油(上海料理でもよく使う、大豆やキノコが原料のもの)に辣椒などを刻んで入れて、骨付き肉をスープから出してちょっと付けて食べる。本場でもこのようにして食べられているが、肉はスープの旨味だけで十分食べられるし、その味のバランスも良いから、あえてレシピには入れない。肉骨茶のスープを飲むと、胡椒やスパイスでちょっと舌が痺れたようになる。そこに柔らかく煮込んだ肉の舌触りは、やさしくて甘くて旨い。この味の組み合わせは、麻辣火鍋の辛さと具の旨さの関係に共通するものがある。
涼拌枸杞頭(クコの緑の葉の茹で野菜)青椒香梨鶏絲(鶏とピーマンと梨の炒めもの)
涼拌枸杞頭(クコの緑の葉の茹で野菜)
青椒香梨鶏絲(鶏とピーマンと梨の炒めもの)
鶏の細切り肉とピーマンの細切りと梨を薄く細長く切ったのとあわさって絶妙な味わい。
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本日のお茶は、昆明茶磚1990年代プーアル茶。
生茶の磚茶(長方形のレンガ型)のサンプルがまわってきた。
昆明茶廠(メーカー)が解散する1997年の前後に作られたものと推定している。
昆明茶磚1990年代プーアル茶
昆明茶磚1990年代プーアル茶
昆明茶磚1990年代プーアル茶
微妙な味わい。茶葉は正しい。保存状態も正しい。鑑定にひっかかるところは無い。ただ、これが美味しいのかどうか微妙。客観的に考えるために、生茶の磚茶としてどの程度のものか、ものさしになる他の品を見つけるところから始めなければ。

肉骨茶(バクテー)試作2

今日は市販のもので肉骨茶を作ったのと全く同じ条件に戻して作ることになった。市販のセットの場合は水3リットルを使う。昼も夜も肉骨茶だ。
肉骨茶のスパイス
市販のセットの中薬包の中に入った粉末状のスパイスの中に、表記されていない材料がひとつ見つかった。コックさんが調べたところ、サトウキビの干したものでないかという。香りはないと思うので、甘味を足すためなのか?まだそれよりも優先するべき点がいくつもあるから、そこをまず解決してから、甘味のことについて考えたい。
肉骨茶のスパイス肉骨茶のスパイス
中薬包みに入れるスパイス類は、粉末にしないで粒のまま使う。香りを出すために大理石のすり鉢をつかって、叩くように潰す。しかし、この作業はお客様のところではできないだろうから、これなしで済むように商品化する。
肉骨茶(バクテー)試作2
肉骨茶(バクテー)試作2
肉骨茶(バクテー)試作2
ニンニクがまるごと3つ入っているのに臭くない。漢方薬の香りがニンニク臭を消しているらしい。出汁をとるためにあって、皮ごと使うのが正しい。皮を剥いて食べようものなら、強すぎるのか量が多すぎるのか、あとで胃が気持ち悪くなるのでやめておいたほうがよい。
今回は美味しくできていた。スープの水3リットルは、美味しく作るのに必要な量なのかもしれないと思った。例えばカレーライスを大きな鍋でつくるほうが美味しくなるのと同じだ。
白切猪舌頭(豚のタンの茹でたもの)蒜泥小白菜(ミニ白菜の大蒜炒め)
白切猪舌頭(豚のタンの茹でたもの)
大蒜、生姜、葱、胡椒、胡麻油、紹興酒、醤油がタレ。
蒜泥小白菜(ミニ白菜の大蒜炒め)
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本日のお茶は「七子紅帯青餅プーアル茶」。
昨日の続きであるが、「七子紅帯青餅プーアル茶」が「7532」の茶葉の配合であると思える理由がもうひとつある。
7542七子餅茶80年代中期プーアル茶
厚紙7532七子餅茶プーアル茶
七子紅帯青餅プーアル茶
上:「7542七子餅茶80年代中期プーアル茶」
中:「厚紙7532七子餅茶プーアル茶」
下:「七子紅帯青餅プーアル茶」
厚紙7532七子餅茶プーアル茶の紹介ページでも解説しているが、配合されている茶葉の等級が「7542」と「7532」で若干異なる。「7542七子餅茶80年代中期プーアル茶」は、やや荒っぽく見えて、「厚紙7532七子餅茶プーアル茶」と「七子紅帯青餅プーアル茶」は、きめが細かい。それが餅茶の円盤の側面あたりはもっとわかりやすく、「7542」は茶葉の層がむき出しになって厚みがあり、「7532」の側面は薄くきれいに整っている。もちろん年代モノは1枚ごとに状態が異なるので、必ずというわけではないが、何枚かあわせて見ると、その違いは確信できるはず。

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