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茶葉の水分量の分岐点

茶葉の湿り具合を変えたものをいくつか用意し、それぞれ瓶に詰めて、温度を一定に保ち、その変化を見てわかったことは、茶葉が含む水分量があるところを越したとたんに、突然菌類が活発になるような感じになる。菌類は、老茶の茶葉といっしょにしたものが増殖するのだろう。もちろん空気中にもいるだろう。数日でいっきに茶葉の色が黒く変色する。この変化の様子は、メーカーでの「渥堆」による熟成のものに似ていて、茶商の倉庫の保存熟成による緩慢な変化とはちょっと様子が違うような気がする。香りがイカレてしまった茶葉をパスして、香りのいい茶葉を試しに飲んでみると、美味しい。渋味が信じられないほど消えていて甘味が強い。香りは弱くなっている。しかも、後味に口にスースーするあのメントールの感じがある。これは老散茶や熟茶の「7592七子餅茶プーアル茶」「天字沱茶90年代初期」にもある。
もう一方で、茶葉は湿ってはいるが、菌類が活動していなさそうなのがあって、それは茶葉の色は数日では変わらないように見える。いま当店の自家製倉庫の茶葉たちもそれに近い状態である。数日では変化がわからないが、1ヶ月ほどしたら常温の乾燥状態のものと比べて違いがでてくる。煎じると、茶湯の色は濃くなり、味はまろやかで、旨味や甘味も少し増したようになる。この少し変化に、菌類が関与していないとしたら、紅茶などと同じような、酸化発酵の、ものすごく緩慢な変化が起こっているのではないかと思われる。茶葉が乾燥している状態ではそれが起こらないが、茶葉が湿った状態になることで、それが起こるのかもしれない。実際に、緑茶の味だった生茶が、紅茶に近いような味になってくる。
あるいは、茶葉の水分量が異なると、菌類の中で活発に働くグループが違うのか、それとも働き方が違うのかもしれない。そうすると、いろいろなことにつじつまが合ってくる。茶葉の水分量に左右される緩慢な成分変化があって美味しくなるとしたら、成分変化のきっかけをつくる成分が必要になるが、それは茶葉がもともと持っていた成分ではなくて、菌類が活動した結果、新たに作られた成分という可能性がある。
もしも、菌類の活動のあるなしや、活動する菌類をはっきりと分けられるのなら、その分岐点となる茶葉の水分量や温度をはっきりさせれば、保存熟成をする茶商は、味を調整することができる。家庭での保存には、乾燥状態が良いという常識をくつがえして、例えば7月と8月は、茶葉の重量が4%増すまで加湿してから、容器の中でその状態を保ち、飲む10日前になってから乾燥したところで乾かして、味の変化を止める。というのがよいことになる。
しかし、そんなことは一部の茶商はすでに独自にやっているのだろう。
早く顕微鏡が欲しい。
つづく・・・

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