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生茶の泡茶技術 その4

それなら、熱い湯で多めの茶葉をさっと煎じる方法とは逆の煎じ方ではどうなるのか?その極端な例を試してみたくなった。水で茶葉をさっと洗って、蓋碗に適量を入れ、水を張り、蒸し器で蒸す。冷えた水から火にかけて煮出すのは、燉湯の手法で、ゆっくり温度を上げていって沸騰させないことで、見た目も味も透明な鶏の出汁をとる。そのように茶葉の出汁をとる。
茶葉はこれまでにも試したこの3種。
大益8582七子餅茶06年
千禧年7542青餅00年
同興號後期圓茶70年代
蒸して煎じるプーアル茶
蓋碗ごと蒸し器に入れて強火にかけて10分。蒸しあがった蓋碗の茶湯を茶海に移す。この瞬間にいっきに茶の香りが放たれる。しかしいつもの香りにくらべるとかなり熟れた感じ。同興號後期圓茶70年代は、腐ったように思えないこともない。そこに湯を注いで、適度に薄める。
蒸して煎じるプーアル茶
蒸して煎じるプーアル茶
飲んだ瞬間から一呼吸置いて、あー!っと声が出た。どれも美味い!甘い!ゆるりとしたとろみが舌を包み込んで溶ける。エロい!同興號後期圓茶70年代は、あの小豆のような香りと甘味で、もはやお汁粉である。他の二つも若いながらに強い甘味ととろみがあり、後から出てきて舌に残る渋みと苦味があるもののバランスは崩れない。茶湯は口から喉へとゆるりと通り過ぎ、イガイガしない。スースーするようなメントールの感覚が後に残って、上に向かうので、だらけない。沈まない。
蒸して煎じるプーアル茶
高温の湯でさっと淹れたときのような、立ち上る香り、味の弾みや響きはないが、南国の沖縄やタイの民謡の歌声のような揺らぎがある。やわらかい茶湯がお腹に収まってからもその揺らぎは消えず、身体じゅうにゆきわたりながら揺らぎ続ける。そのうち脳も揺らいでくる。これは雲南省西双版納の茶葉で、メコン川の上流域の葉っぱモノなのだ。
この独特の酔いが醒めて、冷静になってふりかえってみても、茶葉を蒸らす時間をとったほうが、甘味と揺らぎの成分はよく抽出されるらしい。茶葉がほんとうに良くて、熟成具合も良いものならば、この感覚を楽める。
いつも何気なく蓋碗でお茶を煎じているのだけれど、その内側では、香りや味のバランスの振り子が揺れている。おもったような味に煎じるのには、おもったような位置でピタリと振り子を止めてやる必要がある。
まだ泡茶技術の探求はつづく。と思う。

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